犬の甲状腺機能低下症とは?
犬の甲状腺機能低下症は何らかの原因によって体内での甲状腺ホルモンの分泌が減少することよって発症する内分泌・代謝性の疾患です。甲状腺機能自体が老化で徐々に低下していくので老化現象なのか、甲状腺機能低下症なのか判断が難しいところではありますが、しっかりと見分ける必要があります。
犬が甲状腺機能低下症になる原因
犬の甲状腺機能低下症の原因の多くは後天性のもので生まれつき発症する事はまれと言われています。後天性の甲状腺機能低下症の原因は自己免疫疾患であるリンパ球性甲状腺炎です。自己免疫疾患とは言い換えると、体内に侵入してきた異物を排除する役割を持つ免疫系がなぜか甲状腺を異物と認識し攻撃する事で、甲状腺に炎症が発生し機能の低下が起きてしまうという事です。
犬の甲状腺機能低下症、症状
甲状腺機能低下症を発症した犬の症状は以下の通りです。
- 元気がなくなる
- ボーっとする事が多くなる
- 寒さに弱くなる
- 肥満
- 背中などに左右対称の脱毛
- 尻尾が脱毛しネズミの尻尾のようになる
- フケが出る
- 皮膚が脂っぽくなる
- 脱毛した箇所に色素の沈着が見られる
元気がなくなる、寒さに弱くなる、肥満などは老化現象と似ているので症状を見落としがちですが、左右対称の脱毛やネズミのような尻尾、脂っぽい皮膚などは甲状腺機能低下症にみられる特徴ですので見逃さないようにしましょう。
犬の甲状腺機能低下症、治療について
ワンコの甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンを経口投与することで治療します。元気がない、ボーっとしているなどの症状は1週間ほどで回復します。その後、治療2ヶ月程度から徐々にですが、発毛の改善が見られます。その後はワンコの回復状態をみながら与えるホルモン剤の量を再評価します。投与の量は状況に応じて変化しますが、多くの場合、ホルモン剤による治療は一生続けることになります。
この記事はワンコの甲状腺機能低下症について原因や症状、治療法などをまとめたものです。しかし、記事で触れているのはあくまで一般的な内容であり、実際の症状などはワンコ個々による差異が当然出てきます。もし、ワンコの体調に異変や普段との違いが感じられたら、お近くの獣医さんに相談してみることをおススメします。