犬の口蓋裂とは?
犬の口蓋裂は上あごと鼻を隔てる口蓋(人間でいうと、舌でさわれる歯茎の裏側から喉にかけての部分)が裂けてしまっている状態のことをいいます。口と鼻を隔てる部分が裂けてしまっているため食べ物や飲み物が口から鼻に直接入ってしまうと考えるとつらさがわかると思います。犬の口をあけて上あご側をみると、溝のような裂けめが目視で確認できます。液体を摂取すると鼻からこぼれてきたり、固形物を与えると裂けめと鼻の間にびっしり詰まってしまったりします。詰まったものが気管に入り込み、それが原因で肺炎になってしまったりする可能性もあります。
犬が口蓋裂になる原因
犬が口蓋裂になる原因としては、生まれつき裂けている先天的なものと、交通事故や歯周病の悪化などが原因で発症する後天的なものがあります。先天的なものはシーズー、チワワ、ダックスフンド、ビーグル、パグ等によく見られます。うちのワンコはラブラドールですが先天的な口蓋裂をもって生まれてきました。
犬の口蓋裂、症状
口蓋裂は上あごが裂けてしまって、口と鼻がつながっている状態です。子犬の場合であれば、上手にミルクが飲めなかったり、飲んだミルクが気管に入り込んでしまい呼吸困難を起こすなどの症状が出ます。栄養が上手に吸収できない事から成長不良を起こし、体が大きくならない事もあります。放置していると体が衰弱し、一週間ほどで深刻な状況をむかえます。なお、うちの黒ラブは先天的な口蓋裂で生まれ、ミルクを飲ませても鼻から出てきてしまい、咳き込むなどの症状を見せていました。私を含む家族の協力でゆっくり時間をかけてミルクを与える事で、体は大きくなりませんでしたが17歳までがんばって生きてくれました。我が家では手術をせずに天寿を全うしましたが、吸入性の肺炎などで命の危険に至る事もあるので、本来であれば手術をしたほうが良いのかもしれません。
犬の口蓋裂、治療について
口蓋裂の治療は基本的に外科的な手術になります。内容としては裂けている口蓋を縫って裂けめを閉じる手術です。ワンコの場合は若ければ若いほど傷の治癒が早いので、ある程度若い時に手術を受けたほうが良いと言われています(一応の目安は生後3か月)が、麻酔を使う手術でリスクもありますので、ある程度体力がついてからの手術になるケースもあるようです。ただし、あまり手術までの時間が長いと鼻の粘膜に負担がかかってしまう事もあるので、手術のタイミングは獣医さんとよく話し合って決めると良いかと思います。
この記事はワンコの口蓋裂について原因や症状、治療法などをまとめたものです。しかし、記事で触れているのはあくまで一般的な内容であり、実際の症状などはワンコ個々による差異が当然出てきます。もし、ワンコの体調に異変や普段との違いが感じられたら、お近くの獣医さんに相談してみることをおススメします。