犬の食道炎とは?
犬の食道炎とは何らかの原因で食道に炎症が起きてしまう事を言います。
犬が食道炎になる原因
ワンコが食道炎を発症する原因としては以下のものが代表例として挙げられます。
- 薬品や錠剤などの化学物質の誤飲
- おもちゃなどの誤飲
- 麻酔後の下部食道括約筋の緩み
薬品や錠剤の誤飲は刺激のつよい化学物質による食道の炎症が発生するケースがあります。おもちゃなどの誤飲はおもちゃの先端などが食道を傷つける事により炎症を引き起こす可能性があります。胃酸の逆流は文字通り酸が食道の炎症を引き起こす事があります。この胃酸の逆流は麻酔により下部食道括約筋の緩むことにより起こる事があります。そのため、麻酔を用いた手術の後、数日の間は症状が出る可能性があります。
犬の食道炎、症状
食道炎は初期の場合は症状があまり出ない事も多いです。しかし、食道粘膜の炎症が進んでしまうと食道が狭くなる食道狭窄が起こり、食べたものが食道を通過しづらくなります。一般的な食道炎の症状は以下の通りです。
- よだれが出る
- 普段より食べるのが遅い
- 食べても吐き出してしまう
- 食欲不振
食べ物が食道を通過しづらくなる食道狭窄を起こすまで食道炎を放置してしまうと、慢性的な食道炎につながってしまいます。食道炎は初期の場合はX線検査でもひどい所見がなく見逃されてしまうケースがあります。食道炎の疑いがある場合は内視鏡検査を行う必要があります。
犬の食道炎、治療について
犬の食道炎の主な治療法は軽度の場合は投薬治療、重度の食道狭窄を起こしている場合は外科的治療をおこないます。
食道炎の治療:投薬治療
食道炎が軽度の場合は抗生物質や抗炎症剤を投与し炎症の進行を防ぎます。基本的には炎症の発生している粘膜を保護し、胃酸の逆流を抑制する治療です。
食道炎の治療:外科的治療
重度の食道炎や慢性の食道炎で食道狭窄を発症し食べ物が通過しづらくなっている場合は、バルーンによる拡張処置などを施します。また、食道炎が改善するまでは炎症が悪化しないようにチューブを設置し、胃の中へ直接食べ物を投与したり、輸液による栄養補給を行う事もあります。
この記事はワンコの食道炎について原因や症状、治療法などをまとめたものです。しかし、記事で触れているのはあくまで一般的な内容であり、実際の症状などはワンコ個々による差異が当然出てきます。もし、ワンコの体調に異変や普段との違いが感じられたら、お近くの獣医さんに相談してみることをおススメします。