犬の扁平上皮癌とは？

皮膚を構成する部位の中で最も表面に位置している部位を扁平上皮と言います。その扁平上皮をつくる細胞の癌を扁平上皮癌といいます。おもにワンコの口の中の粘膜や耳、鼻、肛門周囲、爪の周りや皮膚に発症する悪性腫瘍です。扁平上皮癌は犬の中では２番目に多い悪性腫瘍といわれています。

犬が扁平上皮癌になる原因

ワンコが扁平上皮癌を発症する原因としては太陽光線などの紫外線による刺激やウイルス感染が原因とも言われていますが、突発的に発生する事もあり、実際のところ原因はよくわかっていません。

犬の扁平上皮癌、症状

扁平上皮癌を発症した犬は、皮膚がただれた状態になったり、カリフラワー状に盛り上がったり、かさぶたやしこりなどの症状が見られるようになります。また、ただれやしこりは徐々に大きくなり、徐々に皮膚上を拡大していく傾向が見られます。皮膚がただれる事により脱毛の症状も見られます。口腔内にできた場合も同様にただれたような状態になりますが、出血を伴う事もあります。リンパ節や肺への転移も認められます。部位による主な症状は以下の通りです。

• 口の中：おもに舌や歯肉にただれや潰瘍が発生する。
• 鼻の中：鼻呼吸が苦しいそぶり、鼻血などが見られる。
• 肛門付近：肛門付近やオスの袋にしこりや潰瘍が発生する。
• 爪：足の先が腫れたり、足を引きずりながら歩くなどの症状を見せる。
• 扁桃：扁桃や頸部リンパ節が腫れる、ご飯を飲み込みづらくなる、口から血を出すなどの症状が見られる。

 

犬の扁平上皮癌、治療について

扁平上皮癌の疑いがある場合は組織生検や血液検査などで悪性か良性かの診断をします。悪性の診断の場合は手術による切除が基本となります。その場合、扁平上皮癌の特徴として、病巣が周辺組織に広がっている傾向にあるため、広範囲にわたる切除を行います。手術が出来ない場合（体力が無かったり、手術できないほど進行している）は抗がん剤や放射線治療などを行う事になります。

犬の扁平上皮癌はとても進行の早い癌です。しこりなどを見つけた場合、様子見などしているとリンパ節に転移してしまう可能性の高い癌です。少しでも不安な箇所を発見したのであれば、すぐに獣医さんに相談するのが良いでしょう。

この記事はワンコの扁平上皮癌について原因や症状、治療法などをまとめたものです。しかし、記事で触れているのはあくまで一般的な内容であり、実際の症状などはワンコ個々による差異が当然出てきます。もし、ワンコの体調に異変や普段との違いが感じられたら、お近くの獣医さんに相談してみることをおススメします。