犬のしつけで一番多い悩みは噛み癖と無駄吠えです。~でお伝えしたようにこうした癖は犬との接し方に問題があり、あなたがリーダーであるという事をしっかり犬に認識させることが出来ていないために、しつけがうまくいかないケースがほとんどです。ここでは噛み癖や吠え癖のある犬を効果的にしつけるために、それぞれの癖をなおすついでにあなたがリーダーであると犬に覚えさせるトレーニングをお伝えします。
噛み癖のある犬をしつけるトレーニング
子犬は本来であれば仲間の子犬とじゃれあって、噛みつきあって遊びます。あなたに甘噛みしてくるのも「遊んで、遊んで!」という子犬からの要求です。この要求を認めてしまうと、子犬は「要求すればなんでも許してもらえるんだ!」と理解して、要求がどんどんエスカレートしていきます。子犬に「遊ぶというごほうび」を与えるのは、あくまでもリーダーのいう事を聞いた場合だけです。リーダーであれば子犬からの要求はすべて突っぱねるように心がけましょう。
では、かみ癖のある犬に対するしつけのトレーニングです。
用意するもの:ビターアップルなどの噛みつき防止剤、小銭を入れたアルミ缶(使い方はリンク先参照)
甘噛みする犬をしつける3つの方法
- 手にビターアップルを吹きかけておき、甘噛みしてきたら苦い味で嫌な思いをさせる。
- 甘噛みしてきたら背中を向けて立ち去り、しばらく子犬を無視する。
- 甘噛みしてきたら小銭を入れたアルミ缶で金属音を出し、しばらく子犬を無視する。
犬は基本的に苦い味が大嫌いです。「人の手を噛んだら苦い味で嫌な思いをする」と学習すれば、甘噛みはおさまります。しかし、中には苦さなどものともしないツワモノの子犬もいるので、その場合は無視や金属音で嫌な思いをさせましょう。「無視にそんなに効果があるの?」と聞かれることもありますが、犬はリーダーに無視されることですごく落ち込みます。効果はてきめんですから、しつけには無視を取り入れましょう。
抵抗して噛む子犬をしつけるたった1つの心がけ
- 淡々と続ける。
抵抗して噛めば嫌な事をやめてもらえると覚えさせてはいけません。たとえ噛まれたとしても、その行為を続けて下さい。まったく噛まれたことを気にかけていないように淡々と続けて下さい。「痛い!」と声を出したり、怒ったりしたらダメです。あくまで淡々と。淡々としている事で子犬は「噛んでも気にかけてもらえない」=「無視されている」と思い、嫌な思いをするからです。
無駄吠え癖のある犬をしつけるトレーニング
犬の無駄吠えは大きく分けて2つに分けられます。
- 何かを要求している要求吠え(ケージから出して!ご飯ちょうだい!遊んで!などなど)
- チャイムの音や来客に対する警戒吠え
それぞれの場合で効果的なしつけは違ってきます。では以下でお伝えしていきます。
要求目的の無駄吠えワンコのしつけ
用意するもの:散歩用のリード
要求吠えの場合は「要求しても無駄」と子犬に理解させる必要があります。そのためにあなたがすべきことはただ一つ。
無視することです。
子犬が無駄吠えをはじめたらケージや柱にリードでつなぎ、3分間おとなしくなるまで無視します。リードから放してまた吠えだすようならもう一度ケージや柱につないでやり直し。これを1週間も続ければ、たいていの子犬は無駄吠えが激減するはずです。ただし、この方法は子犬を家に迎えて1週間ほどがもっとも効果が高く、以降だんだんと効果が薄れていきます。
警戒心が強すぎる無駄吠えワンコのしつけ
- 用意するもの:リードについているチェーン、または小銭を入れたアルミ缶警戒心が強い子犬は来客はもちろん、チャイムの音や外を人が通っただけで無駄吠えを続けます。こうした犬を効果的にしつけるには無視と嫌な音を組み合わせた天罰方式が効果的です。
- 犬が無駄吠えを始めたらすかさず床にチェーンを投げて「ガチャン!!」という大きな音を出しましょう。床を傷つけたくない場合は、小銭を入れたアルミ缶で大きな音を出してもいいです。
犬が振り向いたら、すぐにチェーンを取り上げて無視します。犬にチェーンを調べさせてはいけません。チェーンの正体がわからないからこそ、犬は嫌な音だと認識します。嫌な音+リーダーからの無視という二つの嫌な思いをすることで次第に無駄吠えは減っていくはずです。
かみ癖や無駄吠え癖のある犬のしつけ:まとめ
しつけで犬を叱るポイントは「飼い主に怒られた」と思わせる事ではなく、犬をびっくりさせる事です。びっくりさせる事が目的ですからクドクドと叱る必要はなく、一瞬で良いのです。そして、無視する事がとても重要です。本来群れで暮らす犬はリーダーに注目してもらう事が幸せです。だから、あなたに無視されることはものすごく嫌な事なのです。
いけない事をした→びっくりする音が鳴って、さらにリーダーから無視される→嫌だ→嫌な思いをしたくないからやめる
これが犬をしつける時の基本になります。